長尾公仁税理士事務所

不動産を相続する場合の計算方法を解説

不動産を相続する場合の計算方法を解説

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被相続人の財産に不動産が含まれていた場合、相続の際にその評価額を見積もる必要があります。
本記事では、不動産を相続する場合の相続税の計算方法について、不動産の評価などに触れながら解説します。

不動産相続で大事なのは評価額

不動産を相続する際に重要となるのが評価額の算定です。
預貯金のように通帳の残高を見れば金額が確定するものとは異なり、不動産には時価、公示価格、固定資産税評価額、路線価など複数の価格が存在します。
相続税の計算においては、原則として財産評価基本通達によって一律に定められた評価基準に則り、評価額を算出します。
この評価額が実際の取引価格よりも低くなる傾向にあることが、不動産が節税対策に活用される大きな理由の1つです。
しかし、土地の形状や接する道路の状況、建物の築年数や用途によって評価額は大きく変動します。

不動産を相続する場合の計算方法

不動産の相続税を計算する際は、単に数値を足し引きするだけでなく、国税庁が定めるルールに則った順序で進める必要があります。
大まかな流れを把握し、どのタイミングでどのような専門知識が必要になるのかを確認していきましょう。
一般的に不動産の評価および相続は以下の手順に則って行われます。

  1. 不動産の評価を行う
  2. 各種特例を適用する
  3. 相続税額を計算する

手順①不動産の評価を行う

不動産相続の際にまず行うべきこととして、土地と建物それぞれの評価額の算出があります。
建物の場合は、毎年送られてくる納税通知書に記載された固定資産税評価額をそのまま用いるため比較的容易です。
一方で土地の計算は複雑で、主に路線価方式、または倍率方式のいずれかを用います。
市街地の多くで採用される路線価方式では、道路ごとに設定された単価に土地の面積を掛け合わせますが、ここに補正を加える作業が欠かせません。
たとえば、奥行きが非常に長い土地や、形が歪な不整形地、崖地を含んでいる場合などは評価額が下がります。
また、その土地の用途も評価額に影響します。
他人に貸し出している貸家建付地などは、所有者の自由な利用が制限されるため、評価額が一定割合減額されます。
土地の特性に応じて評価額に補正を加えることが重要です。

手順②各種特例を適用する

評価額のベースが決まったら、次に税負担を軽減できる特例の適用を検討します。
不動産相続において代表的なのが小規模宅地等の特例です。
これは、被相続人が住んでいた土地や事業に使っていた土地を親族が引き継ぐ場合、一定の面積までその評価額を最大80%減額できる制度です。
ただし、この特例を受けるには厳しい要件をクリアしなければなりません。
自身が小規模宅地等の特例の適用要件に当てはまるかなどを確認しましょう。

手順③相続税額を計算する

土地・建物の評価額が確定し、特例の適用の可否を確認したら、他の財産と合算して相続税の総額を求めます。
遺産総額から基礎控除額を差し引き、残った金額に税率を掛けて計算します。
最終的に算出された税金の総額を、実際に取得した各人の遺産の割合に応じて割り振ることで、納税額が確定します。
不動産は分割が難しいため、特定の人が土地を相続し、他の人が現金を相続するといったケースが多く見られますが、その際の配分が税額にどう影響するかまでを見越した計算が求められます。

不動産相続は税理士におまかせください

不動産の評価や特例の適用判断を誤ると、本来払う必要のない税金を納めることになったり、逆に申告漏れとして税務署から指摘を受けたりするリスクがあります。
特に土地の評価における各種補正の判断を自力で行うことは、状況によっては非常に困難です。
税理士に依頼することで、机上の計算だけでは見落としがちな減額要素を漏れなく見つけ出し、より大きな節税効果を引き出すことが可能になります。
また、不動産の相続は遺産分割協議が難航するケースも多いため、税務面から公平な分割案を提示してもらえる点も大きなメリットです。

まとめ

不動産を相続する場合、正しい評価額の算出が求められます。
しかし、不動産を複数相続したり、特殊な形の土地を承継したりする場合、自力で評価額を算出するのは難しいかもしれません。
不動産相続に不安がある場合は、相続に強い税理士への相談をおすすめします。