長尾公仁税理士事務所

相続税申告手続きにおける必要書類と入手先について解説します

相続税申告手続きにおける必要書類と入手先について解説します

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相続が発生したとき、相続税の申告が必要かどうかは基礎控除額によって決まります。
申告が必要な場合、さまざまな書類を準備する必要がありますが、何が必要なのか、どこで入手できるのかを知っておくことが重要です。
本記事では、相続税申告に必要な書類と入手方法、また特例や控除を受ける場合の追加書類について解説します。

相続税申告は基礎控除額を超えた場合に必要になる

相続税の申告は、すべての相続人や受遺者に求められるものではありません。
申告が必要になるのは、相続税の「課税価格の合計額」が「基礎控除額」を超えた場合です。
課税価格の合計額とは、遺産総額のうち実際に課税対象となる金額のことを指します。

課税価格と基礎控除額の基礎知識

課税価格とは、亡くなった方のプラスとなる財産(預貯金や土地など)から、マイナスとなる財産(債務や葬儀費用など)を差し引いた金額を基本として算出したものです。
死亡に伴う生命保険金や退職金、また生前に贈与を受けた財産の一部も課税価格に含まれることになります。
一方で、基礎控除額は「3000万円+法定相続人の人数×600万円」という計算式で求められます。
この基礎控除額を超えた場合に初めて相続税の申告義務が発生するのです。

一般的な相続における相続税申告に必要な書類と入手先

一般的な相続を想定した場合の、相続税申告に必要となる書類と入手方法を表にまとめました。
ぜひ確認してみてください。

 

書類名

種類

入手先

取得費用

被相続人の連続戸籍

戸籍関係

市区町村役場

450円/1部(戸籍謄本)
750円/1部(除籍謄本・改製原戸籍)

被相続人の住民票の除票

戸籍関係

市区町村役場

200円~400円

被相続人の戸籍の附票

戸籍関係

市区町村役場

200円~400円

相続人全員の戸籍謄本

戸籍関係

市区町村役場

450円/1部

相続人全員の住民票

戸籍関係

市区町村役場

300円前後

相続人全員のマイナンバーカード

戸籍関係

自宅

無料

相続人全員の印鑑登録証明書

戸籍関係

市区町村役場

200円~300円

不動産の固定資産税課税明細書

相続財産

市区町村役場

無料

不動産の登記簿謄本

相続財産

法務局

500円~1,000円

有価証券の残高証明書

相続財産

銀行や証券会社

無料

有価証券の配当金の支払通知書

相続財産

銀行や証券会社

無料

現預金の預金残高証明書

相続財産

銀行

無料

債務証明書

債務関係

各債権者

無料

相続税申告書(第1表から第15表)

その他

税務署

無料

法定相続情報一覧図

その他

法務局

無料

 

以下に注意点を記載しましたので、確認をお願いします。

  • 申告期限:相続が開始してから10カ月以内に申告しなくてはいけません。
    期限に遅れると罰金が課される可能性があるので注意が必要です。
  • 書類取得の時期:一部の書類は取得に時間がかかるため、早い段階から準備することが大切です。
  • 費用負担:一部の書類には取得費用が発生します。
    たとえば、戸籍謄本は1通450円(自治体によって金額は異なります)かかります。
  • 相続税申告書の入手方法:税務署で直接取得、郵送での取り寄せ、またはホームページからダウンロードすることが可能です。
    必要な書類をすべて揃えてから申告書を準備することをおすすめします。
  • 法定相続情報一覧図の活用:法務局で作成可能であり、戸籍謄本の代わりとして使用できますが、養子がいない場合に限られます。

特例や控除を受ける場合は別途書類が必要になる


相続税の税額控除や特例を適用する場合には、それぞれの制度に応じた追加書類が必要です。
ここでは特に適用されるケースが多い「小規模宅地等の特例」と「配偶者控除」に焦点を当て、必要な書類を紹介します。
両方の特例や控除を受ける場合でも、共通する書類は一部だけで構いません。

小規模宅地等の特例の適用に必要な書類

小規模宅地等の特例の適用に必要な種類は、以下の表のとおりです。

書類名

入手先

備考

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本など

市区町村役場

相続開始日から10日経過後に作成されたもの

相続人全員の戸籍謄本

市区町村役場

相続開始日から10日経過後に作成されたもの

遺言書または遺産分割協議書の写し

自身で作成

 

相続人全員の印鑑証明書

市区町村役場

遺産分割協議書に押印したもの

申告期限後3年以内の分割見込書

市区町村役場

申告期限内に分割ができない場合に提出が必要

特例適用を受ける宅地等を自己の居住用として使用していることを証明する書類(住民票など)

自市区町村役場

 

状況によっては、追加資料が必要になる場合があるので注意しましょう。

配偶者控除の適用を受ける場合に必要な書類

配偶者控除の適用を受ける際には、以下の表の書類が必要になります。

 

書類名

入手先

備考

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本など

市区町村役場

相続開始日から10日経過後に作成されたもの

相続人全員の戸籍謄本

市区町村役場

相続開始日から10日経過後に作成されたもの

遺言書または遺産分割協議書の写し

自身で作成

 

相続人全員の印鑑証明書

市区町村役場

遺産分割協議書に押印したもの

申告期限後3年以内の分割見込書

自身で作成

申告期限内に分割ができない場合に提出が必要

まとめ


相続税申告は、課税価格の合計額が基礎控除額を超える場合に必要となります。
申告には戸籍関係書類、財産関係書類、債務関係書類など多くの書類が必要で、相続開始から10ヶ月以内に提出しなければなりません。
小規模宅地等の特例や配偶者控除などの特例を適用する場合は追加書類も必要です。
相続税申告は複雑な手続きが多いため、不明点がある場合や、申告書作成に不安がある場合は、専門家である税理士への相談をおすすめします。